結婚後(既婚者)は振袖を着てはいけないの…?成人式・結婚式は?
ただし、着用シーンによっては既婚者でも振袖を着られる場合があることをご存知ですか?
今回はそんな「結婚後の振袖」について、基本的なルールやマナーをくわしく解説します。
結婚後の振袖の活用方法についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
結婚後(既婚者)は振袖を着てはいけない?
振袖は、結婚後に既婚者が着るのは一般的ではありません。
そもそも振袖という名称は、江戸時代初期に生まれました。当時の振袖は子どもと18歳までの未婚女性が着る着物で、長い袖は若さの象徴とされていました。現代でも着物の長い袖は未婚であることの象徴となっています。
そのため現代でも袖の長い振袖は未婚女性の第一礼装とされており、既婚者が振袖を着るのは一般的ではありません。
さらに、振袖の長い袖は異性に気持ちを伝える仕草にも用いられてきました。人生の伴侶を見つけた結婚後は袖の動きで異性の気を引く必要がないため、袖の短い留袖が第一礼装となります。
<関連記事>振袖とは何?由来・歴史や着用する場面など
結婚後の成人式や結婚式の出席での振袖は?
結婚後に成人式や結婚式に出席する際、振袖を着用しても良いのかと悩まれる方は多いです。
「結婚して子どもがいるけど、成人式で振袖を着ていいの?」
「友だちの結婚式に参加するときに振袖を着たいけど、既婚者だからやめておくべき?」
などでお悩みの方に向けて、「既婚者が成人式や結婚席で振袖を着ても良いのか」を着物のプロが詳しく解説します。
成人式
たとえ結婚している方でも、成人式に参加するときは振袖を着用しても全く問題ありません。
たとえば成人前に若くして結婚した方は、既婚者として成人式を迎えるケースがあるでしょう。振袖はたしかに「未婚女性の礼装」ではありますが、同時に「成人のお祝いをむかえる女性の晴れ着」でもあります。成人式という行事に参加する女性の一般的な衣装なので、既婚者であってもこれから成人を迎える年齢であれば着用して問題ありません。
「結婚して子どもがいるから振袖は着られないかな」と心配される方が多くいらっしゃいますが、結婚していて子どもがいる方も成人式に出席する際は、自信をもって振袖をご着用ください。
結婚式の出席
結婚後に結婚式に招待されたときは、基本的には振袖で出席するのはNGです。
結婚式の席における振袖の扱いは「未婚女性の第一礼装」となります。晴れ着として既婚者でも振袖を着用可能な成人式とは異なりますので、注意する必要があります。
既婚者が結婚式に参加するときは、自分の立場に合わせて着用する着物を選びましょう。
【既婚の場合】
新郎新婦の近しい親族:留袖または訪問着
新郎新婦の友人:訪問着または付け下げ
新郎新婦の姉妹など近しい親族の立場で参列する場合、既婚者であれば「留袖」または「訪問着」がふさわしい装いです。既婚女性の第一礼装は留袖ですが、年齢が若い場合は華やかな色柄の訪問着を着用するのもおすすめです。
新郎新婦の友人の立場で参列する際は、既婚者であれば訪問着や付け下げを会場の雰囲気に合わせて着用しましょう。
結婚後の振袖の活用方法
基本的には未婚の間のみ着用可能な振袖は、結婚後どのようにするのが良いのでしょうか。
結婚後の振袖の活用方法をみていきましょう。
他人に譲る
結婚した後は、振袖をほかの人に譲るのがひとつの活用方法です。
たとえば成人前の親戚に譲ったり、若い友人や知人に譲ったりするのも良いでしょう。古典柄の上質な振袖であれば流行り廃りがないので、長く着てもらうことができます。
ただし、振袖は基本的に着る人のサイズに合わせて仕立ててあります。譲る方の体型によってはそもそも着用が難しい場合があるので、注意が必要です。また、譲る前に振袖の色柄や雰囲気が好みにあっているかどうかも確認しましょう。
サイズが大幅に違ったり色柄が好みでない振袖を譲ったりしても、着てもらえないばかりか相手の邪魔になってしまうケースもあります。振袖一式を保管するためには収納場所も必要になるので、事前に相手方とよく相談することが大切です。
大切に保管する
結婚後は、振袖を大切に保管しておくのもおすすめです。
古典柄の振袖であれば、流行り廃りがないため2代、3代にわたり長く大切に着用することができます。将来自分の娘や孫に着てもらえる可能性があるので、大切に保管しておくのも良いでしょう。
自分の子どものために振袖をとっておく場合、保管期間が約20~30年と長期間に渡ります。その間は適切なお手入れが肝要なので、保管にあたっての注意点などを呉服店に相談することをおすすめします。
リメイクする
結婚後の振袖は、リメイクして活用する方法もあります。
振袖の形のままだと結婚してからは基本的に着られないので、ほかの形にリメイクする方もいます。
リメイク方法のひとつは「袖を短く切る」ことです。振袖の長い袖を短く仕立て直して、訪問着として着用する方法があります。ただし、袖を切って訪問着として着用可能かどうかは振袖の色や柄にもよります。
訪問着にリメイク可能なデザインかどうかは、呉服店などに振袖を持参のうえ相談するのがおすすめです。
結婚後は振袖を着ないのが一般的ではあるが
結婚後は振袖を着ないのが一般的ではありますが、成人式を迎える方は既婚者であっても振袖を着用することができます。また、結婚後は振袖を人に譲ったり、大切に保管したりすることで、大切な振袖を次の世代に継承することができます。
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