女性を優雅に魅せる振袖と成人式の歴史 | 振袖ハクビ

女性を優雅に魅せる振袖と成人式の歴史

成人式で振袖を着た女性2人の後ろ姿

女性にとって一生に一度の晴れ舞台となる「成人式」。
人生の節目となる20歳を迎え、立派な大人に成長したことをお祝いする成人式では、参加する女性の衣装は「振袖」が定番となっています。
女性にとって特別な着物にあたる振袖ですが、その歴史は数百年前にさかのぼるほど古く、現在の振袖と過去の振袖には歴史的な違いがあるのです。
また、振袖と結びつきのある成人式の起源や発祥についても、詳しい方は少ないのではないでしょうか。
「振袖はどのように誕生したのか」「成人式でなぜ振袖が着られるようになったのか」などの疑問に触れ、振袖と成人式の歴史についてご紹介していきます。

振袖の起源

江戸時代の女性のイラスト

現在の振袖が誕生したのは江戸時代まで遡ります。
振袖は元々「振り八つ口」の開いた子ども用の小袖でした。
「振り八つ口」は子どもの高い体温を逃がす役目を持っており、子どもだけでなく若い女性や元服(成人)前の男子も着用していました。
江戸時代前期になると若い女性が着る正装の着物の袖丈が次第に長くなっていきました。
元禄時代(1688年-1703年)には袖丈は55cmから95cmくらいであったのが、江戸末期(1867年まで)になると95cmから122cmくらいになったといわれています。
袖丈が長くなったのは「異性の気を引き、求婚の申し出に答えるため」「袖を振る踊り子の華麗な姿が大流行したから」「袖を振って厄を“祓う”ため」といったさまざまな説があったようです。

 

振袖が未婚女性の第一礼装となった背景とは?

着付けをしてもらう女性

振袖は江戸時代中期以降に正式に子どもや未婚女性の衣装になりました。
振袖は未婚女性の身分を証明するものとして用いられるようになり、関所を通る未婚女性は振袖の着用が義務化されていました。
しかし、袂の長い振袖は生活するうえで不便であり、日常生活では振袖が着用されることが無くなりました。
その後も“踊り子の衣装”としては振袖が使用され、それだけではもったいないということから「特別な日には振袖を着る」といった風習となったという背景があります。

既婚女性が振袖を着ても良い

振袖は「未婚女性の着物」として知られており、既婚女性が着るのはマナー違反であると書かれている記事も目にすることがあります。
「結婚していたら成人式で振袖は着れないの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、振袖を着て成人式に出席しても全く問題ありません。
今の日本では成人式を迎える時点でご結婚されていてもされていなくても、成人式で振袖を着るという慣習が定着しています。

 

成人式の起源

成人式の起源は中国の通過儀礼「冠礼(かんれい)」が起源と言われています。
冠礼は、成年になる男子に冠を付ける成人儀式でした。
この冠礼の風習が日本にも伝わり、「元服(げんぷく)」へと形を変えていきます。

日本の成人式の起源

日本の成人式の起源は男子は「元服」、女子は「裳着(もぎ)」とされています。
「元服」は奈良時代以降に男子の成人を示す儀式として行われました。
数え年で12~16歳の男子が氏神の社前で服装や髪型を大人のものに改め、冠を付けてもらう儀式でした。

「裳着」は平安時代から安土桃山時代にかけて女子の成人を示す儀式として行われました。
10代前半の女子を対象に着物や化粧、髪型などを大人のものに改め、裳着を済ませることで結婚も許されました。
江戸時代以降は女子の場合も男子同様に元服と称し、18〜20歳位の年齢、もしくは結婚と同時に行なわれるようになりました。

 

現代の成人式の発祥

振袖を着て成人式に参加する女性3人の後ろ姿

現代の日本における成人式の形が誕生したのは、戦後間もない頃です。
終戦の翌年、敗戦によって未来に希望を抱けなくなってしまった若者が非常に多く、このままではいけないと彼らの将来を危惧した埼玉県北足立郡蕨町(現 蕨市)の青年団が中心となり、「青年祭」を企画しました。
その青年祭の幕開けとして行われた「成年式」が全国に広まり、現在の成人式となりました。
なお、蕨市では現在でも「成年式」と呼ばれています。

「成人の日」が制定

1948(昭和23年)年に公布・施行された祝日法により、翌1949(昭和24年)から1月15日を「成人の日」とし、この日に成人式を行うという風習になったのです。
また、1998年(平成10年)の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)に伴い、2000年(平成12年)より、成人の日は1月第2月曜日へ移動し、現在の成人式の日程のほとんどが1月の第二月曜日となっています。

 

まとめ

今回は振袖と成人式の歴史についてご紹介してきました。
成人式は日本の大切な伝統文化である振袖を身にまとう良い機会です。
成人式と振袖が辿ってきた歴史をほんの少しでも知ることで、優雅で華やかな振袖を着ることの喜びがいっそう増すのではないでしょうか。

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